諏訪大社― 1日でめぐる四社まいり

大木に見守られ、風鈴に癒やされ、心がやさしく整っていく和の旅。

長野県・諏訪湖のまわりに鎮座する諏訪大社は、上社(かみしゃ)と下社(しもしゃ)があります。

四社から成る、日本最古級の神社です。全国に2万5千以上点在する諏訪神社の総本社でもあり、古くから「お諏訪さま」として人々に親しまれてきました。

私の家のご近所にも諏訪神社があるので、一度総本社に行ってみたいと思っていました。せっかくなら、欲張って1日で四社巡りたいと思い、午前中に到着するように、朝早めに出かけました。巡り方には決まりがないそうです。私は、下社秋宮→下社春宮→上社前宮→上社本宮の順番でめぐることにしました。

東京八王子から車で、2時間くらいで到着。八王子から遠い下諏訪から巡ることにしたので、中央高速道路の岡谷ICで降りました。諏訪湖サービスエリアに、EC限定のスマートインターチェンジ(2025年7月27日開通)の看板を見つけたのですが、よくわからなかったので通り過ぎてしまいした。後から考えてみたら、諏訪湖SAで降りても良かったかもしれないです。次は、ここを利用してみようと思います。




最初に訪れた下社秋宮 ― 賑わいとスケール感

最初は、諏訪大社下社の中心・秋宮に行きました。

車のナビで、目的地を社務所に設定していたので、裏に着いてしまいました。駐車場の看板はあるのだけれど、なんだかちょっと違うなあと思いながら、駐車場に車を停めました。裏側だったんですね。正面側にも駐車場がありました。駐車場は無料でしたよ。(四社すべて駐車場は無料で停められます)

裏から歩いて境内へ。最初に目に入ったのは「車のお祓いはこちら」という看板。当たり前のことなのですが、ああ、車のお祓いもしていて地元の人にとっては生活に密着した存在なんだなあと実感。

社殿に向かう前に、龍の口から流れる「御神湯」(ごしんゆ)を発見。手を清めたらお湯だったからびっくり。看板に「飲用できません。熱いので気をつけてください」と書いてありました。なんで熱いの?手水舎がお湯なのは初体験。調べてみると、龍の口から流れているのは、「長寿湯」といわれる天然温泉。竜神伝説にちなんで龍の口をかたどっているのだそうです。これだけでもご利益ありそうですね。

ようやく、境内に入ると大きな木に囲まれた穏やかな空間が広がっていました。

「わあ〜諏訪大社に来ちゃった」テンションUP!

平日ということもあって、参拝者はそれほど多くありませんでした。時間も10時くらいだったので、ちょっと早かったかも。それでも、御朱印を求める人はたくさん。十人以上並んでいました。四社御朱印コンプリートすると記念品が授与されることもあり、遠方からの参拝客も多いようです。諏訪大社の記念品なんて貴重ですものね。

初めて間近で見る御柱。

力強さを感じました。7年に一度の御柱祭で社殿の四隅のもみの木を建て替えます。次は、2028年です。

境内の地図の前では、ロードレースのウエアを身に纏って自転車旅をしている二人組の女性と出会いました。私が、ママチャリでさえも乗るのがへたっぴだから、ロードバイクなんてかっこいいなあと憧れてしまいます。なんでも岡谷方面から来たとのことで、坂道のルートを相談中でした。自転車で諏訪湖一周なんて気持ち良そうです。

短い会話ながら、旅人同士のささやかな交流。心が温まります。

諏訪には美味しいお酒がたくさんあるのですね。

下社春宮 ― 端正で落ち着いた空気

秋宮から車でほど近い場所に、春宮があります。

郵便局の手間に無料駐車場がありました。迷わずに到着。

秋宮と比べると静かな雰囲気。参道の大木が印象的で、端正な佇まいと静けさが漂っていました。

結びの杉

この杉は、先で二又に分かれているのだけど、根本はひとつになっていることから「縁結びの杉」といわれています。写真でわかりますか?上の方が二又に分かれています。

「素敵なご縁がありますように」

あるといいな……。

春宮の町のマンホール。

色鮮やかな御柱祭が描かれています。

木や土の匂い、御柱や石に触れたときのひんやりとした感覚。自然の力強さに包まれるようで、足を踏み入れただけで気持ちが落ち着いていくのを感じます。

寄り道したよ


◆ 寄り道:万治の石仏



春宮を参拝したあと、鳥居近くにあった看板に導かれて「万治の石仏」にも立ち寄りました。川のせせらぎに癒やされ、三周参拝で心が和んだ体験については → 万治の石仏の記事はこちら

さらに寄り道


◆ 寄り道:おんばしら館よいさ



石仏からさらに歩いて数分。春宮の駐車場横にある「おんばしら館よいさ」にも足を運びました。御柱祭の迫力を映像や展示で体感した記録は → おんばしら館よいさの記事はこちら


上社前宮 ― 素朴さと古代祭祀の気配

次に向かったのは、上社の前宮。下社から車で30分くらいかかりました。

秋宮・春宮とは雰囲気が大きく異なり、素朴で自然と一体化した境内が広がります。古代の祭祀を思わせるような空気が漂い、時がゆっくりと流れているかのようです。振り返ると、遠くに町が見えました。ちょっと坂が続くので、車椅子の母は連れてこれないなあと思いながら歩きました。

名水がありました。看板には、下のように書かれていました。

鎌倉幕府の御家人が「いざ鎌倉」と鎌倉までの馳せ参じる際の道が「鎌倉道、鎌倉街道と呼ばれていて、約5.5km、2時間30分の周遊コースがありました。

そこには、樋沢古墳があります。長閑な里山風景が続いています。


上社本宮 ― 重厚感と風鈴の調べ

諏訪大社本宮の鳥居

最後にたどり着いたのは、上社本宮。諏訪大社の中心ともいえる場所です。

鳥居の太く美しい注連縄、境内にそびえる大木の存在感。その一つひとつに圧倒され、自然と背筋が伸びます。

宝物殿を拝観した際、案内の方が「どうぞごゆっくり」と優しく声をかけてくださいました。猛暑で顔が赤くなっていた私に向けられたその言葉に、ほっと心がほどけます。館内には写真撮影できませんでしたが、武田信玄が奉納したと伝わる直径約8.5cmの大きな水晶玉に目を奪われました。透明な光が放つ存在感は圧倒的で、しばらく立ち止まってしまったほどです。

境内の布橋には約1000個の風鈴が吊るされ、風に揺れて一斉に鳴り響いていました。澄んだ音が雷鳴の気配と重なり、不思議と心を静めてくれます。

本宮限定のお守りもありました。

明神湯

本宮に入ってするのところにある手水社。熱い温泉が出ています。

「住吉より諏訪明神ゆかりの温泉とされ諏訪の温泉の源泉とも伝えられている」とありました。

これは、昔から神様が愛用するお湯なのですね。

伝説の最強力士、雷電為右衛門さんの像と、手形がありました。原寸大という手形。

驚きの大きさです。


四社を巡って感じたこと

四社を1日で巡ることは十分可能でしたが、1社ごとにゆっくり時間をかけたい気持ちも残りました。「全部回らなければ」と気持ちが急いてしまうより、2日ほどに分けて巡拝するのも良さそうです。

なにより心に残ったのは、御柱の存在。テレビで祭りを見たことはあっても、実物を目の前にすると、人々の想いが込められた大切な柱であることが強く伝わってきました。遠い昔から受け継がれる信仰に触れ、時代を越えて心が通じるような感覚に包まれます。


旅のあとがき

この日の旅をひとことで言うなら、パワー充電満タン!

四社回ると達成感あります。ちょっと疲れました。でも後からじんわり穏やかな気分になりました。

確かに諏訪神社のパワーはすごくて、雑念がなくなって気持ちが落ち着いたとか、守られているような感覚があるような気がします。大木に見守られ、風鈴に癒やされ、出会った人の笑顔に救われたということもありました。

諏訪大社四社は、「四社まいり」という慣わしがあります。それぞれに異なる表情を持っていて、それぞれの魅力があります。初めての方は、大変だけど1日で四社巡ることをお勧めします。諏訪大社と、諏訪地域の歴史を肌で感じることができるし、自分は、ここが好きだなあという感覚に出会えるかもしれません。

四つの宮を順に巡るその旅路は、信仰の地を訪ねるだけでなく、自分自身の心と向き合う時間でもありました。次回は、もっと時間をかけて、一社ずつの空気をじっくり味わいながら歩いてみたいと思います。