かこさとし(加古里子)1926-2018

絵本作家。『だるまちゃん』シリーズ、『からすのパンやさん』など、世代を超えて愛される数多くの名作を生み出しましたが、同時に科学者としての顔も持っていました。工学博士として研究を重ねた経験を活かし、子どもたちに科学や自然の不思議を、わかりやすく、そして楽しく伝える本も数多くあります。1959年32歳で最初の絵本『だむのおじさんたち』を出版。92歳で亡くなるまで600冊を超える著作を残しました。

「かこさとしの世界」展にて。だるまちゃんシリーズが大好き。

かこさとしさんの『だるまちゃん』は、子どもの頃大好きだった絵本。何度も繰り返し読みました。何度読んでも飽きることがなく、ページをめくるたびに新しい発見や楽しさがありました。今でも私は、ぬいぐるみの「だるまちゃん」を手元に置いています。小さな赤い体を見ると、子どもの頃の安心感やワクワクした気持ちがよみがえってくるのです。だるまちゃんの笑顔、心が和みます。

私が一番、好きだったのは、『だるまちゃんとうさぎちゃん』

うさぎちゃんと雪遊びをしながら、自分でも真似できる工作遊びが似る時なれていて、手袋のうさぎお人形とか、ナプキンで作るうさぎなど、絵を見ながら何度も真似をしました。

かこさんは、中学生になると親孝行のため航空士官になる決意をしますが、視力低下により断念します。軍人になることを諦めて、どうすれば世の中に役立つか考え、技術者になろうと決意して、東京帝国大学工学部に進みました。戦争が終わると、かつて軍人になろうとした自分自身に絶望します。その後の人生をいかに生きていくか悩み苦しみましt。同時に、その心の中には絵を描きたいという思いが湧き上がって来たのです。

子どもたちは、ちゃんと自分の目で見て、自分の頭で考え、自分の力で判断し、行動する賢さを持つようになってほしい。その手伝いをするのなら、死にはぐれた意味もあるかもしれない。
かこさとし『かこさとしの世界』平凡社より

子ども心を忘れずに描きながらも、科学的な視点を持ち続けたそのバランス。子供たちの心を豊かに育むために。子供たちの未来のために。者らしい詳細な伝え方。やさしさと厳しさを同時に携えて、人に伝える姿勢。

かこさんの絵本には「遊び」と「学び」が自然に溶け込んでいます。ユーモラスなキャラクターや物語の楽しさの裏に、必ず「知ることの喜び」が込められている。子どもに迎合するのではなく、まっすぐに、誠実に、ほんとうのことを伝えようとする姿勢がありました。だからこそ、彼の絵本は時代を超えて愛され続けているのだと思います。

人物をめぐる場所

かこさとしに触れる ― ふるさと絵本館

絵本作家・かこさとし(加古里子)さんは、『だるまちゃんとてんぐちゃん』をはじめ、子どもたちに愛され続ける数々の作品を残しました。
彼のふるさと福井県越前市には、作品世界に触れられる「ふるさと絵本館 砳(らく)」があります。

  • 所在地:福井県越前市高瀬一丁目14-7
  • アクセス:JR武生駅からバスで約10分
  • 開館時間:9:00〜17:00(月曜休館)
  • 公式サイト:越前市 ふるさと絵本館

絵本の原画や資料展示、子どもも大人も楽しめる空間のなかで、かこさとしさんの豊かな想像力に触れることができます。