車で近所のスーパーへ向かう途中、
信号待ちで前に止まっていた作業車風の軽トラックが、
青に変わって少し進んだところでブレーキを踏んだ。

交差点でもないし、通行人もいない。
どうしたのだろうと様子をうかがうと、小さな鳥が横断歩道を渡っていた。

どうやら。白と灰色のセキレイのようだ。

「キャー、ごめんなさーい」
とでもいうように、尾っぽをふりふり、急ぎ足。
それとも、目指すは前のみ。とにかく目的の場所しか見えていないのか。
いや、もしかしたら、車に待ってもらっていることを分かっていながら、知らんぷりで我が物顔に闊歩しているのかもしれない。

いずれにしても、鳥なのだから飛べばいいのに。

セキレイがちょこちょこ歩く姿を見ながら、ふと思った。

そういえば私は、少しばかり他人の目を気にしてしまうところがある。
たとえばどんなときかな――
飲食店でラストオーダーを告げられているのに長居をする人と一緒にいるとき。
銀行のATMで、後ろに人が並んでいるのに何件も手続きをしなくてはいけないとき。

……なんだか道が逸れてきた気がして、おかしくなった。

そんなことを考えているうちに、前の軽トラックはスピードを上げて走り出した。
そして、私も走り始める。

もう一度、横断歩道を渡っていたセキレイのことを思い出した。
周りを気にせず、ブレない心。
セキレイのあのマイペースさを、少し見習ってみたい。

周りの目が気になって弱気になりそうなとき、
あのちょこちょこと歩く姿が、そっと背中を押してくれる。

かな。