雨上がりの道路に、キンモクセイの花が散っていた。咲いたばかりの花は、まだしっとりと息づいていて、雨の雫をまといながら甘い香りを放っている。

濡れたアスファルトに映える鮮やかなオレンジ色は、まるで小さな灯りのようだ。風に運ばれて、ふと鼻先をかすめるその香りに、季節が確かに深まっていくのを感じた。

短い花の命が告げるのは、秋のはじまりではなく、その深まりの合図である。