散歩中に、閉鎖中の会社のフェンスに草が絡みついて広がっているのが目についた。枯れて茶色くなった葉っぱが、電線の方まで伸びている。「危ないなあ」と思いながらも、よく見ると茶色の葉っぱが、まるで恐竜のようだ。
一度、そう見えると、もう恐竜にしか見えなくなってしまった。

調べてみると、これは脳が勝手に作り出す見間違い――「パレイドリア」という心理現象らしい。
パレイドリア現象とは、雲の形が人の顔に見えたり、壁のシミが誰かの顔に見えたりするのも、この現象のひとつ。本来存在しないものを、見慣れた形に当てはめて認識しようとするらしい。

そういえば私も、地方の温泉宿の天井にあったシミがどうしても人の顔に見えて、こちらを見ているようで布団の中で気になって仕方なかったことがある。

家の窓やゴミ箱が顔に見えたり、虫に食われた葉っぱが人の顔に見えたりすることもある。山歩きの帰り道で疲れがピークに達している時などは、なんでもない石ころが動物の形に見えることもある。あえて”形”を探そうとしているわけではなく、ただ、そう見えてしまう。

でも、不思議と怖くはない。むしろ、ちょっと楽しい。

この現象が起きやすい人は、劣等感があるとか、ストレスを抱えているとか諸説あるようだけれど、私はきっと想像力が豊かなんだ。

……うん、きっとそうだ。

枯葉が怪獣のように見える