いつもは自分でやってしまうことも、「手伝って」と言ってみたら、母の笑顔が返ってきた。紫蘇の香りとともに思い出した、頼ることのあたたかさ。

今年も、紫蘇がたくさん生えた。本来は出てきてほしくない場所にまで、勢いよく広がっている。毎年、紫蘇の季節が終わる頃、根から引っこ抜く。これでもかというほど抜いてしまって、来年も本当に生えてくるのだろうかと心配になるくらい、根こそぎに。それでも、毎年勢いよく生えてくるからスゴイ。
今年は、母に手伝ってもらい、紫蘇の実を収穫した。
最近は、母にお願いごとをすることがほとんどなかったから、「紫蘇の実、収穫するのを手伝って」と声をかけたとき、母は一瞬驚いたような表情を見せた。でも、すぐに嬉しそうな顔に変わった。
私は大きなボウルを、母は小さなボウルを持ち、手で下から上へ引っ張るようにして実を摘む。母は園芸用の小さな椅子に腰かけ、黙々と作業を続けていた。手が思うように動かないようだったけれど、それでも一生懸命に摘んでいた。
全部は取りきれなかったけれど、ボウルがいっぱいになったので、今日はここまで。
「これだけ獲ったよ」と、母は目を輝かせて自慢げに笑った。幾つになっても、頼られるのは嬉しいのだろう。そういえば私も、誰かに頼られると嬉しい。母も同じだったことを、少し忘れていた。
お願いすることを避けていた自分を、少し反省。
これからは、何かのたびに一緒に手を動かしてみようと思う。