春雲は綿の如く、夏雲は岩の如く、秋雲は砂の如く、冬雲は鉛の如く、
晨雲は流るるが如く、午雲は湧くが如く、暮雲は焼くが如し
正岡子規『雲』
特に雲の名前に詳しいわけではないけれど、雲で季節を感じるってなんだかいいな。
朝の散歩時の空には筋雲が浮かんでいた。筋雲は、空の高いところにあって、氷の粒でできているという。細い線が、何か筆で描いたような芸術性を感じる。
雲を見上げる時間が好きだ。ときには、動物や小物など、形が何かに似ているものはないかと探す。ときにはゆっくり流れゆく雲を目で追いかける。ときには立ち止まり、ただ空の広さを感じる。
雲はいつも同じではなく、形を変え、色を変え、刻一刻と移ろいでいく。待ってといっても待ってはくれない。雲の移ろぐ様子は、「今」という瞬間の尊さを教えてくれる。
「あ、いいな」と思って写真を撮ろうと、もたもたしていると、もう違う形になっていたりする。
これはいいことだから後でやろうと思っても、いざとなると状況が変わってできなくなったりする。
大切な人に大事なことを、後で伝えようと思っていても、伝えられずに終わってしまうこともある。
雲が流れゆくように「いいな」という瞬間は待っていてくれない。
だから、「いいな」と思ったことがあったら、その瞬間を大切にしていきたいものだ。